ガーデニングから見るプロジェクト管理
こんにちは、ガーデニング初心者のかめです。
これは、私がこの夏、種から育てたミニひまわりです。
皆さんは、このひまわりをどう思いますか?
小さくて可愛い?隣に枯れているのがある?もしかしたら、肥料や水、土づくりなどについて詳しくアドバイスをくださる方もいらっしゃるかもしれませんね。
ちなみに、このひまわり、ご近所で同じ種を同時期に植えたご家庭よりも成長も開花も遅く、同じ品種でもここまで違いが出るのだなーと育て方を振り返っていたのですが、ガーデニングとプロジェクト管理ってなんだか通じるところがあるなと思ったので、このブログを書くことにしました。
私のひまわりの育て方を通じて、皆さんのプロジェクト管理に役立つ情報があれば幸いです。
一番大切なこと:ゴールについて共通認識を持つこと
植物の種を育てる際には、「間引き」という作業を行うのが一般的です。
「間引き」は、種をまき、たくさん生えた新芽の中から、大きさや太さなどが立派な芽を残して、他を引き抜く作業のことです。
種は、全てが必ず発芽するとも限らないので、育てたい数よりも多く種をまき、その中で特に活きが良いものを残し、残ったものが十分な栄養などを確保できるようにしていきます。
今回、私は「間引くのはなんだかかわいそう。大きくはならないと思うけど、発芽したものは全て育ててみよう」という方針で育てました。
また、当時 2 歳の子どもと一緒に種まきをしたのですが、「あれこれうるさく言わず、楽しんでやってもらおう」という方針にしたので、かなり種が密集していたのをそのまま育てることにしました。
ここで、冒頭の「皆さんは、このひまわりをどう思いますか?」に話を戻しますが、この方針(ゴール)の場合、間引きに関するアドバイスは、目指している方向とは違った答えですね。
もし、育成方針が「より大きく立派に育てたい」なら、間引きに関するアドバイスは適切なものになります。
このように、何を目指しているかによって適切な答えは変わるので、プロジェクト管理の際には、全員でゴール(目指していることや解決したい問題)について共通認識を持つことが大切ですね。
リソースには限りがある
今回、 20 粒ほど種をまいて、発芽したのは 5 つくらいでした。
5 つは密集していたので、土の中の養分・水分を互いに奪い合って、ご近所より成長が遅くなっていたと考えています。
プロジェクト管理でも、人や時間、資金などには限りがありますね。
「限られたリソースの中で対応すること」を目指しているのであれば、「間引き」のように、優先度の低い一部のタスクを止めて優先度の高いタスクに注力する決断が必要な場面もあると思います。
「リソースを追加してでも目標を達成すること」を目指しているのであれば、要員や資金の追加などで対応することもあると思います。
ここでも、「どういう方針で何を目指すのか」によって、対応の仕方が変わりますね。
ちなみに、今回、私は、間引かない選択をしたので、追肥をしてみました。
後から調べて知ったのですが、ひまわりは養分を吸収しやすく、肥料を与えすぎると、肥料焼けといって、根が痛み、場合によっては枯れてしまうこともあるそうです。
リソース(専門能力など)を追加する場合、不足しているリソースを正しく把握し、適切なものを選択することも重要ですね。
外的環境に問題はないか
今回、私がひまわりを植えたのは、ポストの直下だったため、モルタルを流してあり、他のところよりも花壇の深さが浅いところでした。
モルタルに阻まれてひまわりが十分に根を張れない状態になり、栄養や水分の吸収が制限されていたかもしれません。
また、ダンゴムシや青虫などに葉などを食べられている形跡もありました。
プロジェクト管理でも、例えば、他プロジェクトの兼務や家庭の事情など、プロジェクト外の要因によってプロジェクトの進行に影響が出ることがありますね。
どうにもできない外的要因の場合、それを織り込んだ上での対応を検討になると思いますが、まずはプロジェクトに集中できる状態を作れるようになるべく外的要因の影響を受けないような調整をしたいですね。
アラートへの対応はお早めに
間引いていないせいだとは思いつつも、あまりにもご近所より成長が遅いことが気になり追肥をしていた結果、蕾をつけるところまで行ったのは 3 本、開花までたどり着いたのは 1 本でした。
追肥の仕方にも原因があったかもしれませんが、当初、かわいそうという理由で育てたのに、養分・水分を互いに奪い合って成長が遅くなり、最終的に中途半端な状態で枯れていってしまった花を見て、もっとかわいそうなことをしてしまった気がしています。その分の栄養を活きが良いのに渡してあげたら、開花できた本数が増えたり、大きく育って複数の花をつけていたりしたかもしれません。
プロジェクト管理でも、タスクの遅延など、何かしら手を打った方が良い場面(アラート)に遭遇することがあると思います。
ここで、いかに早くアラートを検知し、原因を特定して、適切な手を打てるかが重要ですね。
場合によっては、方針転換することもあるかもしれません。
アラートを検知するためには、プロジェクトの進行状況を測定できる仕組み(計画と管理)が必要です。
目指すゴールについて関係者が共通認識を持ち、それに向けた計画を立てる、その上で、例えば、週次や日次などで計画通りに進行しているのか、タスクの成果物は想定した品質のものになっているのかなどを確認し、計画と乖離があれば、アラート(何か対応が必要かもしれない状況)として捉えることができると思います。
プロジェクトが終わったら振り返りをしよう
ひまわりの育成が終わり、ガーデニングについて振り返りをしてみました。
KPT と似ているのですが、私は、「自身(個人)の振り返り」には YWT という手法を使うことが多いです。
YWT とは、
Y やったこと
W わかったこと
T つぎにやること
の頭文字です。
- やったこと
- 間引かずに発芽した芽を全て育成した
- 近所と比較し成長が遅かったので追肥した
- ひまわりの追肥の仕方は調べず、肥料を買ってきて袋の説明に従って撒いた
- わかったこと
- 育成の仕方が適切であれば、成長や開花のスピードが早くなり、花をつける数も増える
- 2 歳児に楽しく種まきをしてもらうのであれば、間隔や数の説明は直感的にわかりやすくしないと伝わらない
- 密集していると自然淘汰されることもある
- 害虫対策を検討することも必要
- ひまわりは、主根・側根型なので、根が深く張れる十分なスペースを確保した方が良い
- 肥料焼けを起こすこともあるので、追肥の仕方には注意が必要
- 今回は、途中からでも間引いた方がその分の養分・水分を有効活用できた可能性がある
- つぎにやること
- 以下の方法でもう一度、間引かない育成を試みて、やはり難しい場合、途中で間引く判断をする
- 養分をたくさん含む土を用意する
- 種まきはポッドに行う形とし、子どもにも 1 ポッド辺り 3 粒などわかりやすい説明をする
- ポッドで苗がある程度育ったら、間引かない前提で間隔を十分に空けながら花壇に植え付けをしていく
- 成長を阻害するレベルの害虫被害が出てきたら駆除をする
- 植え付けの際、十分に根を張れる深さを確保する
- 追肥は過剰にならないよう対象の植物の育て方を調べて与える
- 以下の方法でもう一度、間引かない育成を試みて、やはり難しい場合、途中で間引く判断をする
おまけ
上記の振り返り結果を反映した別の花の育成状況はこんな感じです。
こちらは、ご近所などで比較対象を見つけられていないので、もっとよく育てられたのかという点については評価しにくいのですが、種から育てた苗を間引くことなくすべて花をつけるところまで育成できたので、目標は達成できました。
今回、私がひまわりの育て方を振り返ってみようと思ったきっかけは、たまたまご近所で同じ時期に同じ品種の種を植えて、立派に育てられているのを見て、自分との違いを知りたいと思ったからだったのですが、以前、社内で外部の方を招いた講演で「外の物差しを知ること、一流には一流の理由がある」というようなお話があったのを思い出しました。
より良い状態へ改善をするためには、ありたい姿の参考になる一流の良い事例を知り、自身の現状と比較して何が足りていないのか、どうすれば達成することができるのかを考えて実行に移すことが大切ですね。
もし、「どうすれば達成することができるのか」がわからないということであれば、「ありたい姿」か「自身の現状」のどちらか、もしくは両方について、自分自身が認識しきれていないのかもしれません。
ちなみに、私の大好きな ITIL でも継続的改善モデルということで以下のフローで改善のステップを提案しています。
ITIL ではこんな感じで日常生活にも応用できる考え方などが色々紹介されているので、気になった方はぜひ見てみてくださいね。
そのうち、おすすめの入門書などのブログを書くかもしれません。